[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何だか似ている気がした
2009.04.02 Thursday 22:30 | 小説
目が覚めるとは、予想だにしなかったことである。
自分に意識があることに驚き、閉じていることさえ忘れていた瞼を押し開けた。途端に目に映る天井の木目に俄に安堵しつつ、惑乱していく内心は、妙に焦燥を覚えていく。
浮ついた心情を落ち着かせる為に、ゆっくりと上体を起こして辺りを見渡す。
結い上げていた黒髪がぱらりと解けて落ちた。首の動きに合わせて波打つ光沢が、薄暗い部屋の中で際立っている。
見慣れた部屋ねと、ぼんやり考えていた濃姫は、この部屋は信長が好んで使っていた部屋だということを思い出し、再度辺りを見渡した。
「上総介様、」
何故自分がこの部屋に居るの。
考え込んでいた濃姫は、自然俯いていた視線を上げて、取り敢えずと立ち上がる。
絢爛な襖を開いて、信長が居るであろう広間へ、冷たい廊下に足を進めた。
「濃めにござります」
閉じられた襖の前で、慇懃に頭を下げる。
いつも通り返事のない城主に酷く安堵して、両手を添えて襖を開く。と、上げた面の先で、出会った視線は信長のものではなかった。
信長が座している筈の場所には、宮本武蔵が胡座で悠々と佇んでいる。
途端に、武蔵の奇襲を受けて敗れたことを思い出した。
「貴様、宮本武蔵……!」
常時は帯に差し込んである双銃を抜こうとして、そこにどちらもないのに気付く。慌てた濃姫は、咄嗟に間合いを詰めて、蹴りを繰り出した。
「あっ馬鹿、」
武蔵の制止は遅いが、行動は早かった。
立ち上がると同時に跳び上がると、突っ込んで来た濃姫を飛び越えて三尺程離れた地点へ着地する。
直ぐに切り返して半身を捻る濃姫が激痛に体勢を崩すと、背中から倒れ込む濃姫と畳の間に滑り込んで、いとも簡単に濃姫を担ぎあげた。
「っな、何をするの」
慌てて暴れる濃姫は、力を入れなければ背中の方へ頭が反ってしまう。
おかげで何の抵抗も出来ない濃姫は、上体を力一杯に起こしその反動で逃れようとする。
「だあもう、暴れんなこの馬鹿っ! 中見えてんだぞっ」
眉を寄せた不機嫌な顔をして、濃姫の必死な表情を一瞥すると、溜め息を吐いて舌打ちをして、濃姫をくるりと反転させた。
今度は肩に腹を乗せる形で担ぎ上げられ、濃姫は戸惑う。
「もおそれ以上暴れんじゃねえぞ。中見えても、俺様もう知らねえからな」
はたはたと瞬きをして、濃姫は武蔵の頭を見つめる。
担がれている所為で反転して見える赤茶の頭は、思っていたより頑丈そうな首の上に乗っかっていた。
「おら、怪我人は静かに寝てろよ馬鹿」
投げ出されるかと思いきや、いやに丁寧に布団の上に降ろされて、唖然としたまま武蔵を見上げる。
子供っぽい言動がそう見させるのだろうか。戦場ではそれどころでなかった為に気付かなかったが、武蔵は思ったより身の丈がある様だった。
「坊や、一体何のつもりかしら」
濃姫の視線に戸惑っていたのか、視線を彷徨わせていた武蔵は、ちらりと濃姫を見やり、僅かに耳を染めると再び視線を逸らした。
「何ってなんだよ馬鹿! 分かりやすい様に喋りやがれっ」
そういえば、何やらぼろぼろの着物で乗り込んで来た武蔵は、珍しく袴など着込んでいる様だ。
先程は状況を呑み込むだけで精一杯だった濃姫は、今になって発見が多く、武蔵のあちらこちらへ視線をとばしている。
「……何で私を生かしておいた? 何故私に療養を勧めるの? 貴方は何がしたいのかしら。それから、私の名前は馬鹿ではないわ。せめて濃姫と呼びなさい」
「なんでって、俺様は別に城が欲しい訳じゃねえもん。ただ単に勝負しに来ただけだ。だから、勝負の後ちゃんと城を元通りにしてやんねーと」
そんなの常識だろー?
腰の両手をあて、武蔵は不思議そうな視線を濃姫に向けた。
偽りのない、清々しい瞳を見据えていると、濃姫は自然と納得してしまう。
「そう、じゃあ他の皆も無事なのね?」
ほっと目尻を緩める濃姫から、武蔵は無機質に視線を背ける。
思わず身を乗り出そうとした濃姫から素早く後退った、武蔵の顔は平然を装うとして引きつっていた。
「俺様、手加減はあんま得意じゃねえ。から、無傷な奴は殆どいねえよ」
ぼそぼそと呟かれると、悪戯を白状する子供の様に見えてしまう。
そんな彼を少し微笑ましく思う反面、丈夫とは思えないあの櫂だけでそこまで至らせてしまう彼を恐ろしくも思う。
しかし、危害を加えるつもりはないと言う。
こちらにも敵意はないと示しておく必要があるのではないかと思い、濃姫は微笑を浮かべて再び問い返した。
「でも、死者はいないのでしょう?」
「な、なんだよ」
武蔵は微笑まれることに慣れない様子で顔を逸らすと、視線を俯かせる。
濃姫は暫く視線を出窓の障子へ向けていると、隣へ武蔵が腰を下ろすのを感じた。
今日久々にバサラをやってきました東です。
武蔵で安土城をやってきたのですが、なんか武蔵+織田家ってかわいいと思う。
てかね、途中の蘭丸との対決で、武蔵が蘭丸に対して赤ちゃん言葉だったのが衝撃的でしかもにやにやでした。
んで、その後蘭丸が「濃姫様、こいつ蘭丸馬鹿にした!」的なことを言っていたのがまた萌え。
濃姫様なんだよ。信長様じゃなく濃姫様に告げ口なんだよ。蘭丸www
んで、武蔵は濃姫の武器が欲しいらしい。「その武器俺様によこしやがれ!」濃姫と対決の時に言ってました。
んで、信長と対決の時は「勝ったら俺様が魔王だ!」とかなんとか。
なりたいんか、魔王に!?とか思ってましたよ。にやにやしながら。(←
ということで、武蔵+織田家プッシュ。
武蔵は濃姫にちょっかい出して信長に睨まれて(信濃!信濃!)、蘭丸と喧嘩して濃姫に怒られたりしてればいいよ。(母子!母子!)
ということで、武蔵と濃姫で書いてみました。
私のイメージだと、結構濃姫と武蔵の母上って雰囲気似てると思うんだよね。そんで、濃姫になついてりゃいいなあと。
んで、武蔵は女の人にはあまり興味ない方向で書きました。(いや、あるとしてもおつうとか個人限定で興味持ってる感じ。濃姫には母上の面影を感じた感じ)
ううん、武蔵ストーリーはどんなんなるだろう。
いろんな武将たちと絡んでればいいなあ。そして罵詈雑言をまき散らしてればいい。
ああ、早く九日になれ!
PR
Trackback
Trackback URL:
Comment