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花弁はなくとも

 桜が儚いだなんて誰が言ったんだ。こんなにも咲き誇って、確実に一の中にその姿を残していくだろ? はかなくなんてないさ。
 あの頃はそう説き伏せていた。美しいから儚いだなんて安直すぎるだろう、と。
 何もかもが毎日楽しくて、笑いあっていられるだけで幸せだって思ってた。ただ、この日常【まいにち】が続けばいいとだけ。気づいたら狂い始めていた秀吉を止められもしない、否。俺はもしかしたら止めなかっただけかもしれない。
 半兵衛と出会ってから徐々に力を付け始めた秀吉と一緒にいれば、もっと楽しいことに巻き込まれるかもしれない。いや、本当は松永の奴に喧嘩しちまった時から狂っちまってんだから、もはや全て俺が悪いのだろう。原因を作って追いつめておきながら、吐き捨てて責め立てて、それで逃げ出した。
 溜め息と共に俯かせた頭をゆっくりと振って空を見上げた。曇天と何ら変わらない青く透き通った雲から、雨粒が落ちて来る。
 雨の日はどうにも暗くなっちまっていやだねえ、明るい呟き一つで目を細め、屋根を伝い滴る雨粒より幾分大きな水滴を眺めた。すっかり散って葉に変わった桜の樹に視線を移すと、瞬きして目を開く。言い訳がましい瞬きに苦笑して、慶次はそのまま葉の一枚一枚を目に焼き付けようとした。
 桜なんて、姿を残すったってその花弁一枚一枚じゃなく、桜と言う抽象的で実在しない姿だ。
 儚いから美しいなんて言葉を吐く輩がいるが、慶次からしてみれば今この桜の葉も十分に美しい。儚いからこその美しさなんてそんなものありはしないだろう。
 色濃い初夏の葉が水を丸めて飾りにする。付けすぎればどんどん失っていく雫をまとい、何処か元気のよい桜の樹は風に揺れる。折角飾り付けた雫を落とされ不満そうにざわめく樹木は、一度たりとも慶次を気にかけることはなかった。



慶次の暗い話を書きたかったんです。
慶次って、明るくて自分に素直にまっすぐ生きてる見たいだけど、本当は心の奥底に沈めてしまいたいねくらな部分と言うか、人に対しての恐怖とか、自分自身の弱さとか、叶わなかった思いとかが小さくまとめられて底に近い、心の闇の部分に押し込められてるんだと思うんです。
そんなところを書けたらなあと思いつつ、無理でした!(きっぱり
花が散ろうと、桜は桜なんですよ。


そんなことより(ぇ
今、どら平太という映画を見てましたよ。
なにあれ、役所さんめっちゃかっこいいしかわいいし、てか小平太いいね。
あのキャラいいわあ。
なんか役所さんのイメージが変わっちゃったし。
ごちそうさまっす!(何だそれ

そんな訳で失礼。

テストなんて怖くねえええ! ……筈。
てか受験ヤだ……

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