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言い訳

 神崎直はよく動く。
 それが今は、ソファーの背もたれに傾げたままの頭を預け溜め息すら吐いて、いつもの行動力などは伺えない。いつも直の後を追う柔らかそうな髪の毛も、光沢のあるそのうねりさえも、どこか沈んでいるように見えた。
 よく動く瞳も笑みの似合う唇も今は元気がない。
 向かいに座ってたまに思い立ったように直の様子を見ていた秋山は、その姿にどこか物足りなさを感じていた。
 ふと腰を上げると、そのまま直の視界から消える。
 瞬き以外に顔を動かさぬ今の直には、秋山がどこへ行くのかに興味が湧かないのだろう。俯かせた視線のまま、先程と変わらぬ床を眺めていた。
「……心配か?」
 このゲームの行く先が、である。
 いつの間にか隣に立っていた秋山を見上げて、直は曖昧に笑んでみせた。
「それが、分からないんです」
 苦笑まじりの困り顔でその言葉だけ一先ず吐き出すと、お話しするんだったらと直は彼に向き合おうとした。持ち上げようとした頭が微かに引っ張られて、そのまま元の位置に戻す。
 どこかに引っかけてしまったのだろうかと毛先に目をやると、秋山に一房掴まれているのが見えた。
「あの。どうしたんですか?」
 手なりに掴んだ一房を掌と指とで挟み、親指で髪を器用に撫でている。何やら考え込んでいる風情の秋山を見上げながら聞いた。
 己の手元から直の瞳へ視線を移し暫し見つめた後、秋山は無言で髪を撫でるのを止めた。
「ゴミだ」
 そう言うと指を払う素振りをしてみせて、また向かい側のソファーへと戻って行く。
「あっありがとうございます?」
 折角起した首をまた再び傾げながら、直は少し心が軽くなったのを感じていた。






秋直かわいいと思います東です/
ついてるので見てたら何このかわいいコンビと思いました。
今週なんか秋山が直のこと慰めてるwwwwやべえwwwとか思って見てたり←
ということで即興にチャレンジ。うぬぬ、毎週それとなくドラマを見てるだけじゃ、やっぱり上手く書けまへんな。
とりあえず、直のあのふんわりな髪の毛が気になってればいい。そんでつい触っちゃえばいい。
そんでなんか理由付けてればいいと思うよwwwこれは正当な理由あっての行動だからって。

そんな感じで今宵はおさらば。
何だか僕、とても眠いんだ……。


ちょっと言わせて下さいな。
ヘロンは総攻め!←
(だって数学のプリント、全部ヘロンが左側だったんだもん/死)

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あたたかな炎

 焚火を挟んで向こう側に、木の根に寄り掛かり小さな寝息を立てるアニーがいる。バイラス除けにも効果があると、そこらに生えていた薬草を幾つか調合し、焚火の中に放り込んだのは彼女であった。
 昔、王の盾で野戦をした際、バースが熾した炎と同じ匂いがする。医者であるアイツが火を熾すと野宿中バイラスに教われることはなかったが、成る程そういうことであったか。
 穏やかに爆ぜる薪から上がる火に照らされ、まだ丸みの強い輪郭が際立つ。ふともっとずっと丸い頬をしていた頃の彼女を思い出して、苦笑とも微笑ともとれぬ笑みで僅かに声を漏らした。
「……、」
 ごく静かな薪の爆ぜる音にも適わない程度である。それが、自分の出した声だからこそよく聞こえたのだ。あまりにも情けない声だった。
 あの頃は、俺によく懐いていたな。抱っこや肩車をせがまれたり……
 意図せず細められる瞳が見つめるのは、天上の星空である。
 呑まれそうな闇の中、焚火の黄色い火に照らし出されながら、それでも闇でいることを止められない。いっその事、鮮やかなトパーズでもあればとすら考えて、その似合わなさに苦笑した。今度は声もない。
 せめて俺自身の毛の色が明るければ、などと何の解決にもならんことだ。アニーが追うものが、せめて鮮やかな色であればなんて。
 王の盾にいた頃は、この色も役立つと割と気に入っていたものである。それを今更、少女独りの為に、せめて漆黒でなければと考える己が酷くおかしい。
 いや、それ程に大切なのだ、とユージーンは思考に終止符を打った。
 例え恨まれていようと、親友である彼女の父親の名誉を守れるのならばそれでいい。例え己を殺す為であろうと生きようとしてくれるのならば、それでいい。
 二人は、それ程に大切な人なのだ。己にとってそうすることの価値のある人間なのだ。
 消化された不安のあった場所に、バースの焚火の匂いが満ちた。温かい安堵と共に自然と瞼が重くなる。
 漆黒に四肢を投げ出しながら、いつか再び、自分に向けられるアニーの笑顔をみたいと思った。







どうも、やっとアニーの試練をクリアした東です。
いや、ユージーンの誤解が解けるのはアニー試練なのですね。
と言うことで、アニーが仲間になった後辺りで書きたかった話を書いてみました!
ユージーンが自分を殺す為でも生きてて欲しいって思う話を書きたかったんですが、思いも因らず野宿させてしかも焚火させました。わお、私はアニーとバースの共通点とか似てるとことか同じとことか、そういうニュアンスで入れたんでしょうかね。
まあとにかく、ユージーンはアニーを愛しく思ってるといいなあって感じで書いたんですが、どうだろう?
もしユジアニが恋愛するのであれば、ぜったいユ−ジーン←アニーだと思ってるので、さほど恋愛的な要素は入れなかったつもりです。どっちかと言うと情愛(っていうのかな)に近い愛しさ。
そう言う訳でこれはユジアニだと言い張ります。
ラブラブ恋愛なユジアニも良いけど、私的にはこういうイメージ。
お互いのこと大切に思ってる故の「どうして!?」っていう怒りと受け入れ態勢の衝突っていうかさ。
まあ、そこがとてもおいしいのですがね!^^^^←


ところで閉鎖中の課題が一つ終わっていない件について/(死
だって「色分けしてもきれい。」って文章見る度ににやにやしちゃって手が進まないww←
たったのプリント一枚(両面)なんだけどねー

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無題


 政秀の話をふと思い返して、はたと思い浮かぶことがあった。
 果たして、自分が政秀に教わるまで知らなかったようなことを、彼の蝮に寵愛されて育った隣国の姫が知っているであろうか。
 ふむ、と自分の考えに頷く。疑問と同時にぽんと浮かび上がった解決策を自身で肯定したのだ。
 それから一刻ばかり経った後である。
 濃姫は寝所で短檠に向かい、今後の不安と現状の所在なさに独りすごろくなどをしていた。
 出で立ちが美しいとは言え、何よりあの「うつけ殿」である。
 一度婚儀の間顔を見たきりである彼は、窮屈な物が嫌いらしく、婚儀中も幾度となく抜け出しては傅人の平手政秀に捕らえられていた、という話を耳にしている。もしかしたら、この儀式も面倒だと言って、今宵この寝所に来ないかもしれないのだ。
 初夜をすっぽかされたとなれば、乙女の恥である。美しいともてはやされて来た帰蝶であるから、信長に余程の理由がなければ、死んでしまおうかと本気で考えてしまうだろう。
 父道三からこの話を聞いた時問われた質問に、はい、と答えていれば良かったとすら考え、小さく溜め息を吐く。
 と、廊下を駆けてこちらへやってくる、少々粗雑な足音が聞こえたかと思うと、突然に襖が開かれた。
 驚いて顔を上げると、顔を真っ赤に上気させた夫がいるではないか。
「俺は信長だ」
 そう言って寝所に足を踏み入れた信長に、暫し時を奪われた帰蝶は慌てて居住まいを直し、すごろくをのけとてんやわんやである。
「帰蝶にござりまする。ふつつかでございますが、行く末、宜しくお導き下さるように」
 細くも肉付きの良い指を付いてやっとそこまで挨拶すると、帰蝶は一つだけ安堵した。
 どうやら、乙女の恥は免れたようなのである。




国盗り物語三巻目のふすまをカラリと開けて「おれは信長だ」のシーンが如何してもによによだったので、バサラに置き換えてみたくなった東です。
司馬さんの国盗りの信長だと、バサラに脳内変換してみたら草が生えまくるのはどうしたらいいのですか/
信長の思案が何であるかは国盗りを読めば分かります。
まあ言ってしまえば「笑い絵」ですね。全く笑えないけどな!何故見せた信長!変態か!←
(違う目的だったって分かってるけどつい言いたくなっちゃう。そんなお年頃)
「あの禿は何をいっている」とか小声とは言え、当人の前で言っちゃらめでしょ!
何だか史実信長の好感が上がりました。何だかとても草生えますがねwww
つか信濃結構ラブラブじゃまいか/
そして司馬さんは結構光濃派と聞き及んでいたのでwktkしてたのですが、成る程。光→濃なんですね!
ちょっと目が合っただけで狼狽しちゃうなんて、光秀はやっぱ好きだ!
史実の光秀はかわゆくてならん。けしからん、もっとやれ!みたいな気分になるよ。

そんな東でした/

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無題

 少尉の足が踝まで滑【ぬめ】る赤に溺れた。それだけじゃない。
 指が、腕が、手が、至る所に血溜まりを作っては奇妙な速度で生えてくる。
 その距離は充分にあった筈なのに、そろと伸ばした少尉の腕をあっという間に包み込むと、瞬きの間もなく目前へ現れた。少しだけ距離が開いて背中が揺れたかと思えば、後ずさった先が壁でそれ以上に逃げられないことを知る以外に、彼に出来る行動はない。
 惚けた顔が名前を呼んでいた。
 その少女のような表情に、縋ってはいけないことを再確認する。
「……いえ、大丈夫です」
 その事実と己を誘う腕とから、目を背けずに見ない方法など、咄嗟に考えつく物はこれくらいだった。
 射出後のDoor knockerに触れても溶けない、ぶ厚い革の上からでも、無骨な指先は気付いた。眉が、眉間が、完全に笑っている。
 手が震えていないのが不思議なくらいだった。
 口籠りながらもその声は凛と響いて、そこに確かな少尉を感じる。
 淡と告げる少尉の言葉に、ランデルは耳を傾けるしか出来なかった。ここから逃げ出すか、或いは崩れ落ちるかを考える脚を、装甲列車の巨壁で支えるだけで精一杯、そんな心情だったのである。
 それが、少尉の、アリスのたった一言の淀みに意識を持っていかれた。
 息をするのも忘れているくせに、僅かに唇が開いている。
 立つことで精一杯の身体が、アリスのたった一言を待って思考を解き、力すら奪ったのだ。
「納得できないんだっ。生きていて欲しかったと思うっ!!」
 まさか。
 期待していながら、一度否定して己の裡で言葉に起してみる。
 ワガママだとか子供か、だとか。徐々に再び口籠るその言葉を聞いて、ブラウンと黒に塞がれていた視界が静かに白んで滲む。
 目頭が熱くなる、なんてものじゃなかった。胸の上から全部が、熱を持ったようにすら感じられた。
 開いたままだった口角が、小さく反り返る。
 ゆっくりと手を外すと、開けた視界で歪む腕が見えた。
 きっと、俺は泣いてるんだ。
 赤にまみれた手が揺れる。
 不思議と少尉は歪んでは見えなかった。
「はい。頼ってください……」
 こうして少尉の役に立てるなら。そうやって夢を受け入れようとするランデルの視界で、アリスが徐々に蝕まれていく。見えなくなっていく。
「じゃあ、まず。その考え方から改めろ」
 もう一度だけ瞬きをして、全てを受け入れようとしていた瞳が、ほんの見開かれた。
 この人は、今度はどんな正しさを示すんだ。
 自分とは全く関係ないと言う素振りで、思考がランデルに喋りかける。
「『もう助からない』って周りが思ったって、私は助ける!!」
 ずっと彷徨っていた視線がアリスを捉える。そうして自分の目が泳いでいたことを知る。逸らしていたのかも探していたのかも分からなかった。
 ただ、彼女の言葉が、自分個人に向けられているものではないと、それだけは分かっていた。分かろうとしていた。分かっているつもりだった。
 いつもは地に吸い込まれていく足が、目前の悪夢に向かってしっかりと前進していた。力なんて一切入らない気がしていたのに、今だけは空気のように軽い。悪夢の中でさえ、しっかりと歩むことが出来る。
 それでも、あと少しの所で脚が崩れた。
 倒れ込むようにして少尉に抱き着く。
 小さな体温と彼女のどこか優しい匂いに、一生手放したくないと腕に力がこもる。
 膝を折って尚背を曲げねば釣り合わぬ体格で、再び肩の辺りを熱くさせながら、入らない力でアリスを抱きしめた。
 白む頭脳の中で、これから向かう場所が白く浄化されていくように感じた。







どーだやって見せたぞ一発書き!
十一巻までが揃って、九巻で既にダメージの東はもはやダメです。
九巻最後のあのシーン、Myフィルター通したらこうなった/
伍長の感情が依存を止めようと葛藤し続けて、この日を最後にしようみたいな感情を持っている様で仕方がない。なんだろう、だから保護側に回ろうとして思考が歪んで、見たいなのを想像しちゃって嫌だ。正直そうなりかけたし!
九巻はランタン伍長のが一番怖いと思った巻です。Marman-cchedaが、背骨!背骨っ!
ああうう、ごちゃごちゃしてだめだ。
一旦風呂入って頭冷やしてきます。

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